「Dart 1.7」リリース、パッケージマネージャ「pub」の改善などが行われる
プログラミング言語「Dart」の開発チームは10月15日、最新版となる「Dart 1.7」をリリースした。Dartで作成したコマンドラインアプリケーションの利用や共有が容易になるなどの強化が加わっている。
Dartは2011年にGoogleが発表したWebアプリケーション開発向けのプログラミング言語。JavaScriptに対して多くの開発者が抱える不満を解決するものとしてスタートし、クラスベース、オブジェクト指向などを特徴とする。Dartコードは独自の仮想マシン上で実行できるほか、JavaScriptコードに変換して実行させることも可能。今年7月にはECMAの標準としても承認されている。
Dart 1.7は、8月に公開されたバージョン1.6に続く最新版。パッケージ管理ツール「Pub」を強化し、パッケージに含まれるスクリプトを容易に実行できるようになった。これにより、Dartで構築したコマンドラインアプリを容易に共有・利用できるようになる。
また、dart:isolateライブラリの改善によるコード分離モデルの強化も行われた。Isolate.spawnUriメソッドにpausedとpackageRootのオプション引数が追加され、異なるパッケージルートでisolatesを起動できるようになっている。これによって依存性が異なるDartアプリケーションの組み合わせが可能となる。
非同期処理のためのdart:asyncも強化し、ZoneにerrorCallbackを追加した。これにより、「Future」や「Stream」でのエラー処理が可能になるという。dart:ioでもHttpClientのclose処理の変更や、HttpServerに新プロパティが加わるなどの強化が施されている。
このほか、Dart SDKやDartの実行環境が組み込まれたWebブラウザ「Dartium」について、Debian向けの配布レポジトリが新たに用意されたほか、Mac OS X向けのHomebrewのサポートが加わっている。