「Dart 1.9」リリース、非同期機能を強化
米GoogleのDartプロジェクトは3月26日、プログラミング言語Dartの最新版「Dart 1.9」を公開した。非同期関連で多数の強化が加わっている。
DartはJavaScriptの代替を目指してGoogleが2011年に発表したプログラミング言語。Dart VMと呼ばれる独自の仮想マシン上で実行できるほか、JavaScriptにコンパイルして一般的なWebブラウザ上で実行させることも可能。Googleは先に、Google ChromeにDart VMを統合する方向ではなく、JavaScriptへコンパイルして利用する方向に注力する方針を明らかにしている。
Dart 1.9は2014年12月にリリースされた1.8に続くリリースで、非同期プログラミング関連にフォーカスした機能強化が多数追加された。asyncおよびawait構文が追加され、慣れ親しんだコントロールフロー機能を利用して複雑な非同期処理を管理できるという。またジェネレータとしてsync*およびasync*、yield、yield*が導入された。これにより、開発者がカスタムイテレータを作成したり、手動でストリーム生成を管理する必要がなくなるという。
また、本バージョンではenumが正式にサポートされたほか、分析機能「Dart Analyzer」が「Dart Analysis Server」に移行された。これによりDartソース分析をDart Editorにとどまらず、IntelliJやSublimeなどのIDEに統合できるようになった。Dart VM向け正規表現エンジンのアップデートによる高速化や、Isolate APIへの新メソッド追加といった強化も行われている。このほか、フォーマッター、コアライブラリなども改善されている。
Dart 1.9はプロジェクトのWebサイトより入手できる。