Linux Foundationが「2018 Open Source Jobs Report」を公開。企業が欲しいスキルはLinux、コンテナも急浮上

 Linuxを推進する非営利団体Linux Foundationは6月19日、オープンソースと雇用についての年次報告書「2018 Open Source Jobs Report」を発表した。

 Open Source Jobs ReportはLinuxなどのオープンソースプロジェクトに携わる開発者と雇用について調べたレポートで、Linux Foundationが就職情報サイトDiceと共同で作成している。さまざま規模の企業、政府系機関、人材派遣など750人以上の採用担当者、6500人以上のオープンソース開発者を対象とした。主としてオープンソース開発者のキャリアにフォーカスし、需要の高いスキル、オープンソース開発者のモチベーション、企業がどのようにして雇用につなげ、維持できるかなどを分析している。

 雇用については、採用担当者の87%が「十分なオープンソース開発の知識を持つ人を採用するのは難しい」とし、オープンソース開発者側は55%が「新しい仕事を見つけるのは簡単」と回答した。今後半年間について、過去半年間と比べてオープンソース開発者の数を増やしたいという採用担当は3分の2にのぼったという。

 需要と供給の状況は報酬にも現れており、DevOpsスキルを持つ人の市場価値は過去6年間平均7.1%上昇しているという調査もあるという。

 オープンソース開発者の87%が、「オープンソースを知っていることはキャリアに役立った」としてしている。企業が求めている具体的なオープンソース開発技術の内訳をみると、最も多かったのは「Linux」で80%、続いて「クラウド」(64%)、「セキュリティ」(49%)、「Web技術」(同)と続いている。「コンテナ」も44%が挙げた。Linuxは2017年の65%、2016年の71%を上回る率となった。

 一方で、採用判断に最も影響する技術分野としては、「コンテナ」は57%で、「クラウド」(66%)に続いて2位。3位以降は、「セキュリティ」(49%)、「ネットワーキング」(47%)、「クラウドネイティブコンピューティング」(39%)などとなっている。1位のコンテナは、2017年の27%からの増加となる。

 オープンソース開発者を職に惹きつける要素として最も高かったのは「高い報酬」で80%が選んだ。2017年の81%、2016年の82%より下がったが、依然として首位となった。同時に、「新しくて面白そうなプロジェクトに関わることができる」が転職や就職を検討する材料になるとした人は74%、「労働時間に柔軟性がある」については61%が選んだ。

 企業によるオープンソースへの貢献も増えており、前回(2017年)には50%だった「自社はオープンソースプロジェクトに貢献している」への回答は今回、57%と7ポイント増加している。

Linux Foundation
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