20周年迎えたオープンソース、「一般」に普及する時代へ

 「Open Source Definition(OSD)」としてオープンソースの定義が公開されてから2月3日で20年を迎えた。オープンソースのライセンス定義などの活動を行う非営利団体Open Source Initiative(OSI)は、今後10年は一般の企業が支える時代になると予想する。

 Open Source Definition(OSD)は1998年2月3日に発表された。OSIは、フリーソフトウェアを提唱してきたRichard Stallman氏(Free Software Foundationの設立者)のアイディアをビジネスの世界にも拡大すべきとして、マーケティングを目的に「オープンソース」と言う言葉を提唱した、と解説している。同月、啓蒙を図る目的でBruce Perens氏、Eric Steven Raymond氏によりOSIが設立された。当時、「ソフトウェアがコストや支払いなしに作成されると言うアイディアは一笑された」と記している。

 その後、SCOやMicrosoftなどとの戦いがあったが、Microsoftは現在OSIに参加している。オープンソースはソフトウェア開発に「効率の良い改善」「相互運用性」「高い品質を高速に、安価に届ける」をもたらすと言うメリットの認知が進んだと見ている。企業の受け入れも進んでいる。成功の背景には、ライセンスの標準化ではなく、オープンソースの定義を最初に作ったことにあるとしている。

 OSIはこれからの10年も展望している。最初の10年はホビイスト/ハッカーコミュニティが中心の認知の段階、次の10年は企業や非営利団体など単一プロジェクトのスペシャリストが中心の受け入れ期、とこれまでの20年を振り返り、今後10年については、より一般の企業やコンソーシアムなどが多数のオープンソースコミュニティをまたいで作業して統合し、自分たちのアウトプットを取り込んでいく、と予想している。

 また、ライセンスの統合が進み、「残念ながら、オープンソースソフトウェアというラベルの悪用も予想される」としている。

 フリーソフトウェアとの関係については、「今後10年で、ソフトウェアフリーダムを再発見する」と予想、これまでフリーソフトウェアとオープンソースコミュニティは分かれてきたが、実際は違いはないとする。IoT、クラウド、ビックデータ活用、ブロックチェーンなどの新しいモデルで問題解決を迫られ、「そこで利用、調査、改変、再配布の『4つの自由』にたちもどるだろう」としている。

 OSIは20周年を記念して、「Open Sources Network」をローンチする。コミュニティがオープンソースに関する自分の体験などを共有したり、意見を交換できる場で、オープンソースの受け入れを奨励、支援すると目的を説明している。

Open Source Initiative(OSI)
https://opensource.org/