「Qt 5.11」リリース、Unicode 10対応を強化

 The Qt Companyは5月22日、クロスプラットフォーム対応のUI・アプリケーション開発プラットフォーム「Qt 5.11」を公開した。

 Qt 5.11は、2月に公開した5.10に続く最新版。予定より早いリリースとなった。

 Qt CoreではUnicodeのサポートを強化し、QChar、QString、QTextBoundaryFinder、および双方向テキストアルゴリズムがUnicode 10に完全準拠した。このほかにも、モデルクラスの確認のためのQAbstractItemModel::checkIndex()が加わり、QVector、QFloat16なども強化した。

 Qt QMLも強化し、コンパイラパイプラインを書き直した。これにより、ASTからバイトコードを直接生成できるようになった。バイトコードインタープリタも書き直し、JITの性能がQt 5.10と比較して80~90%改善するなど性能を大きく改善するという。JavaScriptコールの処理を最適化し、.qmlcファイルがプラットフォームから独立し、バイトコードを保存するようになった。

 Qt 3Dでは、CPU使用を削減し性能を改善した。SIMD(Single Instruction Multiple Data)サポートも強化した。

 Qt LocationではターンバイターンナビゲーションAPIが実験的に加わった。QQuickItemsに紐付けしていないマップオブジェクトを作成できるAPIも実験導入した。

 Qt WebEngineはGoogle Chromium 65にアップデートした。このほかにも多数の機能強化が加わっている。

 なお、QtはPython向けQtに取り組んでおり、6月に最初のバージョンを公開する予定という。

The Qt Company
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