LibreOfficeの新メジャーバージョン「LibreOffice 6.0」リリース、多くの機能が強化される
The Document Foundationは1月31日、オープンソースのオフィススイート「LibreOffice 6.0」を発表した。ユーザーインターフェイス(UI)やセキュリティ、相互運用性などさまざまな部分が強化された大規模なリリースとなっている。
The Document Foundationは2010年秋に発足した非営利団体で、OpenOffice.orgから分岐したLibreOfficeの開発母体となっている。LibreOfficeはワープロ「Writer」、表計算「Calc」、プレゼンテーション「Impress」、ドロー「Draw」、データベース管理「Base」、数式エディタ「Math」といったソフトウェアで構成されたオフィススイートで、WindowsおよびmacOS、Linuxなどで動作する。また、クラウド版の「LibreOffice Online」も開発されている。
LibreOffice 6.0は2015年8月にリリースしたバージョン5系に続くメジャーリリース。LibreOfficeの最初のリリースからちょうど7年目となり、コアエンジンやWriter、Calc、Impress、Drawなどのモジュールで強化が加わった。
バージョン5.3で実験的に導入されたMicrosoft Officeの「リボンUI」に似たUIに切り替えるメニューバー「Notebookbar」を強化した。まだ実験段階のままだが、「Grouped Bar Full」と「Tabbed Compact」といったUIも加わった。Grouped Bar FullはWriterとCalc向け、Tabbed CompactはWriter向けとなる。Special Characters(特殊文字)ダイアログも改善し、最近使用した文字やよく使う文字を選択できるようになった。
Writerでは「Form」メニューが加わった。ここからフォームのデザイン、PDFフォームの作成などを行える。「Find」ツールバーも改良され、ドロップダウンで検索タイプを変更できるようになった。表組みではさまざまなテーブルスタイルが加わると同時に、デフォルトのテーブルスタイルが用意されるようになった。
CalcではODF 1.2準拠の「SEARCHB」および「FINDB」、「REPLACEB」関数が加わった。選択範囲のセルや図形をPNG/JPEG形式で出力できる画像エクスポート機能も加わった。
Impressではデフォルトのスライドサイズが16:9となり、10種類のテンプレートが加わった。Drawではレイヤー属性のUIを強化した。
そのほかヘルプも見直され、これまでの「WikiHelp」に変わって「Help Online」を導入した。Webブラウザで閲覧でき、モバイル端末でも見やすいとしている。ヘルプではコンテンツも更新されている。ユーザー辞書機能も強化された。
相互運用性の強化では、WriterでEPUB形式のエクスポートのためのフィルタが導入された。QuarkXPress形式ファイルをインポートできるフィルタも加わったほか、OOXMLフィルタでのSmartArtインポート機能の強化、DOCXのインポート/エクスポートでのActiveXのサポート、埋め込まれた動画のPPTXへのエスクポートなど、多数の強化が行われているる。このほかODFフィルター、Enhanced Metafile Format Plus(EMF+)インポートなども強化されている。
セキュリティでは、デスクトップ上でODFドキュメントにOpenPGP鍵を使って署名できるようになった。OpenPGPベースの暗号化も実験対応した(利用にはGPGソフトウェアが必要)。
LibreOffice
http://www.libreoffice.org/