「LibreOffice 5.1」リリース

 オープンソースの生産性スイート「LibreOffice」を開発するThe Document Foundationは2月10日、最新版となる「LibreOffice 5.1」を発表した。ユーザーインターフェイスや相互運用性などが強化されている。また、遠隔にあるサーバーとの統合機能も実現した。

 LibreOfficeはワードプロセッサ「Writer」、スプレッドシート「Calc」、プレゼンテーション「Impress」、ペイント「Draw」、数式エディタ「Math」、データベース管理「Base」で構成されるオフィススイート。WindowsおよびMac OS X、Linuxなどさまざまなプラットフォームで動作し、100以上の言語をサポートする。OpenDocument形式ファイルの読み書きに加え、Microsoft Office形式ファイルの読み書きにも対応する。

 LibreOfficeは2011年1月のプロジェクト立ち上げ以来、累計ダウンロード数は1億2000万回に達したという。企業や公共機関での利用も進んでおり、最新の事例ではイタリア国防省が10万台のデスクトップでLibreOfficeを採用することを発表している。

 LibreOffice 5.1は2015年8月に公開されたLibreOffice 5.0系の最初のポイントリリースとなる。ユーザーインターフェイスを再編し、よく利用する機能に迅速にアクセスできるようになった。Writerでは「Style」、Calcでは「Sheet」、ImpressとDrawでは「Slide」という新しいメニューが加わった。ユーザーの使い勝手を改善する目的でプロパティサイドバーにおけるコンテンツパネルなど、いくつかのアイコンとメニューコマンドの位置も変更した。チャートの編集ができるチャートサイドバーも導入した。

 相互運用性では、VBAなどプロプライエタリフォーマットとの相互運用性を強化した。また、Apple Keynote 6(.key)、Microsoft Write(.wri)、Gnumericなどのファイルを読み込むためのフィルタも導入された。文書管理標準規格であるCMIS(Content Management Interoperability Services)プロトコルのサポートも行われており、SharePoint、Google Drive、Alfrescoなどの遠隔にあるサーバー上にあるファイルの表示や保存といったファイル管理も可能となっている。

 このほか、ODF 1.2のサポートも改善した。性能も改善し、中でもWindows向けでは大幅な高速化を図ったという。

 各アプリケーション単位でも新機能が加わった。たとえば、Calcでは数式エンジンの改善やテーブル構造のリファレンスなどの制限に対応した。回帰分析、ODF 1.2に準拠した関数も加わった。ImpressとDrawでは、OpenGLを利用したトランジション(OpenGLトランジション)がOpenGL 2.1以降のものを使った実装となり、パフォーマンスが向上した。また、新たに4種のトランジションが追加されている。

LibreOffice
http://www.libreoffice.org/