「Ubuntu 17.10」公開、デスクトップ環境をGNOMEに移行
英Canonicalは10月19日、Linuxディストリビューション「Ubuntu 17.10」(開発コード名「Artful Aardvark」)を公開した。デスクトップに「GNOME Shell」を搭載するなどの変更が加わっている。
Ubuntu 17.10は4月に公開されたUbuntu 17.04に続く最新版。年2回のリリースサイクルに基づいて公開される27回目のリリースとなる。
デスクトップ版とサーバー版が用意されておりともにLinuxカーネルのバージョンは4.13をベースとする。デスクトップ版では、デスクトップ環境としてUnityに代わりGNOME(GNOME 3.26)を採用した。Canonicalは2011年よりUnityを採用してきたが、4月にGNOMEに切り替えることを明らかにしていた。GNOMEのほか、KDE、MATE、Budgieなども利用できる。デフォルトのディスプレイサーバーはWaylandで、対応ハードウェアでWaylandを利用できる。Xorgも引き続き提供する。デフォルトのディスプレイマネジャーはLightDMからGDM(GNOME Display Manager)となった。
プリント関連を強化し、ドライバーレスのプリントに対応した。IPP Everywhere、Apple AirPrint、Wi-Fi Direct、Mopria対応デバイスで利用できる。プリンタ設定はSettingsアプリで行うように変更されている。Simple Scanも強化した。
GUIでシステムログなどを閲覧できるログビューワは「System Log(gnome-system-log)」から「Logs(gnome-lobs)」に変更された。また、キャプティブポータルによって公衆WiFiの利用が容易になった。
Pythonはバージョン3.6に対応したほか、コードエディタのAtom、Microsoft Visual Studio Codeをサポートした。LibreOffice 5.4、Firefox 55など最新のものになった。
サーバー版では、9月に公開されたOpenStackのPikeを統合した。qemu 2.10、libvirt 3.6、LDX 2.18など新しくなり、クラウドではKubernetes 1.8をサポートした。
ネットワーク設定では「Netplan」を導入、標準の宣言的YAMLシンタックスを使って設定できるという。後方互換性もあり、NetworkManagerなどのツールで管理できるインターフェイスも備える。デスクトップではNetworkManagerを用いるが、サーバー、クラウドでネットワークデバイスはNetplanのsystemd-networkdに割り当てられる。
Ubuntu 17.10は、Desktop版、Server版ともにWebサイトより入手できる。
英Canonical
https://www.canonical.com/