「KDE Plasma 5.11」リリース、ドキュメント暗号化「Vault」が加わる
KDE Communityは10月10日、デスクトップ環境「KDE Plasma 5.11」を公開した。設定アプリを再設計したほか、新たなセキュリティ機能「Plasma Vault」も加わった。
KDE Plasma 5.11は5月に公開したKDE Plasma 5.10に続くフィーチャーリリース。5系は2014年に登場している。
システム設定のユーザーインターフェイスが新しくなり、よく利用する設定にすぐにアクセスできるようになった。複雑なアプリケーションを容易にナビゲートするための取り組みで、オプションとしての提供となる。これまでのツリービューも継続して提供する。
通知システムの刷新も進め、通知の履歴を表示できるようになった。タスクマネージャーも改善し、アプリケーション内の機能にアクセスできるようになったほか、グループポップアップでのウィンドウの再調整も可能になった。
セキュリティではドキュメントのロックや暗号化、非表示化などを可能にする「Plasma Vault」が導入された。簡単に利用でき、暗号化されたドキュメントへのアクセスも容易に行えるという。5.10でデフォルトのデスクトップレイアウトとなった「Folder View」では、キーボードショートカットのサポートが増え、起動も高速になった。
Waylandへの対応も進めた。Waylandコンポジター「KWin」で、画面のピクセル数に合わせて自動で拡張できるようになった。外部モニターを高解像度のノートPCに接続した時など、複数のモニターを簡単に設定できるという。開発チームによると、WaylandはX11のリプレースとして位置づけており、Xwayland互換レイヤーなどXのない環境に向けた機能開発を進めていくという。安全性と性能を改善できるほか、リソースの使用も削減できるとしている。