Qt Company、ビルドシステム「Qbs 1.9」を公開
Qt Companyは9月5日、ビルドツールの最新版「Qbs 1.9」を公開した。言語面での強化などが加わっている。
Qbs(Qt Build Suite)は既存のビルドツールである「qmake」をリプレースするものとして次期版「Qt 6」に含まれるビルドシステム。高速性、豊富な機能などを特徴とする。Qbs 1.9は5月に公開されたバージョン1.8に続く最新版。
言語面の強化としては、Dependency Parameterizationとして、Dependsアイテムをパラメータ化して特別なモジュールパラメータを設定できるようになった。モジュールでパラメータを宣言するためのParameterが新しいアイテムとして加わるほか、デフォルトの値を設定できるParametersも用意する。これらにより、製品間関係の表現が柔軟になるとしている。
Product Multiplexingも導入した。マルチアーキテクチャのAndroid APKの対応のために実装したProfile Multiplexingを置き換えるもので、汎用化が進みより多くのユースケースに対応する。
また、カスタムバックグラウンドとアイコンレイアウト付きのMac OSディスクイメージを作成できるようになった。
このほかにも、製品単位でモジュールプロパティの値をコマンドラインから設定できるようになり、Android NDKでUnified Headersのサポートも加わるなどの細かな強化が加わっている。
QbsはプロジェクトのWebサイトより入手できる。Chocolatey、MacPorts、Homebrewなどのパッケージシステム向けに用意されており、Debian、Ubuntu、Arch Linuxなどのディストリビューションのネイティブパッケージ管理システムとしてもインストールできる。