ドキュメント指向データベース「ArangoDB 3.2」リリース、RocksDBやPegelに対応
ドキュメント指向データベースArangoDB開発チームは7月20日、最新安定版「ArangoDB 3.2」を一般公開(GA)として発表した。RocksDBの統合、分散グラフ処理Pregelの実装などが加わっている。
ArangoDBはドキュメント(JSON)、Key-Value、グラフという3種類のデータモデルに対応する分散型データベース。1つのクエリで複数のデータモデルのデータを同時に取得することもできるなど、柔軟な構造が特徴となっている。オープンソース版のほか、より高度な機能やサポートが提供されるEnterprise Editionも用意される。
ArangoDB 3.2は2016年6月に公開されたバージョン3系の最新版。本バージョンではFacebookが開発するKey-Valueストア「RocksDB」との統合機能が追加され、プラガブルなストレージエンジンとしてRocksDBを利用できるようになった。これによって柔軟なロックがサポートされ、書き込みパフォーマンスが大きく向上するという。また、インデックスを含むすべてがディスク上に永続化されたデータとして格納されるため、起動時間が大幅に改善するという。
分散型グラフデータ処理プラットフォームの「Pregel」も実装された。PageRankやCommunity Detection、Vertex Centrality Measuresなどさまざまなアルゴリズムを利用でき、さまざまなデータ分析に利用できる。また、本バージョンでは「arangoexport」コマンドを利用してエクスポートしたデータをビジュアル化技術「Cytoscape」にインポートできるようになった。JavaScriptフレームワークのFoxx経由で、「Keylines 3.5」も利用できる。
ユーザー管理では、「Read-Only Users」を定義できるようになった。ジオクエリも改善し、距離ベースのドキュメントのソートにも対応した。
そのほか性能面での改善も行われており、平均して35%のパフォーマンス向上が見られるという。同時にメモリフットプリント、クラスタ管理も改善した。
ArangoDB 3.2はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
ArangoDB
https://www.arangodb.com/