Key-Value/ドキュメント/グラフデータに対応するデータベース「ArangoDB 3.0」リリース
分散型ドキュメント指向データベース「ArangoDB」開発チームは6月22日、最新版となる「ArangoDB 3.0」を公開した。クラスタの改善などが加わっている。
ArangoDBは非SQL型(NoSQL)データベースで、ネイティブでのマルチモデルデータベースとして、キーバリュー、ドキュメント、グラフデータの3種類のデータモデルを1つのシステムで提供するのが特徴。プロジェクトはドイツtriAGENSの支援を受けている。
ArangoDB 3.0は、2014年に公開した「ArangoDB 2.0」に続くメジャーリリース。6か月の開発期間を経ての公開となった。
クラスタを最初から設計しなおした。これにより、最新のエージェトで管理できる自己組織型のクラスタを構築できるという。実装と保守を容易にするため、マルチマスター設定、同期レプリケーション、自動フェイルオーバーのある新しいシェアドナッシングアーキテクチャなどの機能を備えた。
グラフ機能も強化し、ネイティブでAQLに統合できるようになった。AQLベースのフィルタを利用できるようになり、柔軟性も改善したという。永続的インデックスに向けた取り組みも進め、まずはRockDB経由で可能となった。RockDBはFacebookが開発した組み込み可能の永続的キーバリューストア。開発チームによると3系を通じて利用できる永続的インデックスの種類を増やしていくという。
また、最新のバイナリストレージフォーマット「VelocyPack」を実装した。これにより、コンパクトにデータを保存できるという。ドキュメント全体をデコードすることなくサブ値に直接アクセスでき、メモリの使用を削減できる。これらの機能強化により、性能は最大5倍改善し、メモリの使用は最大20%削減できるという。
このほか、ArangoDBのマイクロサービス向けJavaScriptフレームワーク「Foxx」はバージョン3.0となり、ArangoDBのコレクションを直接利用できるようになった。
これらの機能強化に加え、多数のバグも修正されている。ArangoDB 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
ArangoDB
https://www.arangodb.com/