インメモリプラットフォーム「Apache Ignite 2.0」がリリース、機械学習を導入

 オープンソースのインメモリコンピュータプラットフォーム「Apache Ignite」開発チームは5月5日、最新安定版となる「Apache Ignite 2.0」を公開した。機械学習コンポーネントを新たに導入するなどの機能強化が加わった。

 Apache Ignite In-Memory Data Fabric(Apache Ignite)は分散型のインメモリコンピューティングプラットフォーム。大規模なデータセットをリアルタイムに処理できるのが特徴で、Data Grid、SQL Grid、Compute Grid、Service Gridなどのコンポーネントを備える。ANSI-99準拠のSQLに対応し、DMLコマンド、分散JOIN/INDEX、ACID準拠の分散トランザクションなどをサポートする。2015年夏にApache Software Foundationのトップレベルプロジェクトに昇格している。

 本バージョンでは新たにベータ機能として「Machine Learning Grid」が加わった。代数演算を分散処理する機構を独自に実装して実現しており、決定木、回帰アルゴリズムなどを分散処理できるという。

 また、オフヒープメモリアーキテクチャを再設計し、デフォルトのMemoryPolicy設定も強化した。SQL GridではData Definition Language(DDL)をサポートし、標準のSQLシンタックスを使ってランタイムのSQLインデックスを変更できるようになった。

 Rocket MQやSpring Dataのサポートも加わった。これによってRocketMQからApache Igniteクラスタへのデータのストリームや、Spring Data Frameworkを使ったApache Igniteクラスタとのやりとりが可能になる。Hibernate 5もサポートした。

 .NET向けの「Ignite.NET」ではプラグインシステムを導入、サードパーティの.NETコンポーネントの作成や組み込みが可能となった。C++向けの「Ignite.C++」も強化した。

 このほか、多数の細かな機能強化、バグの修正が加わっている。

Apache Ignite
https://ignite.apache.org/