ASF、インメモリプラットフォーム「Apache Ignite」とビッグデータプラットフォーム「Apache Lens」をトップレベルプロジェクトに

 オープンソースプロジェクトへの支援を行う非営利団体Apache Software Foundation(ASF)は、インメモリプラットフォーム「Apache Ignite」とビックデータプラットフォーム「Apache Lens」がトップレベルプロジェクト(TLP)に昇格したことを発表した。

 Apache Software Foundation(ASF)は、Apache HTTP Serverなど350以上のオープンソースプロジェクトを傘下に持つ組織。ASFでは提案によりASFの下で運営するプロジェクトを決定し、インキュベーションプロジェクトとしてスタートする。その後、コミュニティの活発さやガバナンスモデルを評価して、適宜トップレベルプロジェクト(TLP)に昇格させる。

 8月25日に昇格が発表されたApache Igniteは高性能の分散型インメモリプラットフォーム技術。2014年10月にASFインキュベーションとなり、2015年4月に初の正式版をリリースした。現在の最新版は7月にリリースした「Apache Ignite 1.3.0」。

 大規模なデータセット上でリアルタイムのコンピューティングやトランザクションを可能にするもので、ディスクベース、フラッシュ技術よりも高速なソリューションを提供するとしている。Scanクエリ、SQLクエリ、テキストクエリをサポートするクエリAPIを持ち、データグリッド機能ではJCashe(JSR 107)を実装した。論理クラスタグループ、自動ノード発見、ハイブリッドクラウドサポートなどの特徴をもつ高度なクラスタ機能もある。

 Apache Lensはユニファイド分析インターフェイスを提供することで、ビックデータ分析へのアクセスを簡素化することを目的にスタートしたプロジェクト。OLAPキューブ抽出、クエリライフサイクル管理などの機能を持ち、Apache Hadoopと既存のデータウェアハウスに統合し、1つとして扱うことができる。単一のメタデータレイヤ、Hive Metastoreベースのスキーマサーバーを持ち、これをデータパイプラインと分析アプリケーションが共有する。これにより、複数のデータ分析技術が乱立する状態に対し最適化した分析クエリ環境を実現するという。

 LensはIgniteと同様に2014年10月にインキュベーションプロジェクトとなっていた。最新版は8月に公開された「Apache Lens 2.3.0-beta」。

Apache Ignite
http://ignite.apache.org/

Apache Lens
http://lens.apache.org/