「TypeScript 2.0」リリース、言語機能の強化などが行われる
米Microsoftは9月22日、JavaScriptと互換性を持つプログラミング言語「TypeScript 2.0」を公開した。
TypeScriptはMicrosoftが2012年10月に公開したプログラミング言語。JavaScriptをベースに表記法や静的型付けなどの機能を加えており、JavaScriptコードにコンパイルして利用できる。ライセンスはApache License 2.0。プロジェクトによると、8月だけで200万件のダウンロードがあったという。
TypeScript 2.0は、2014年4月に公開されたバージョン1.0以来のメジャーリリース版となる。なお、バージョン1系の最新版は2月に公開されたバージョン1.8。
本バージョンでは最新のECMAScript標準サポートなどが強化点となる。これまで定義できなかったnullとundefinedを、型チェックモードに関係なく型の名称として利用できるようになった。また、コントロールフローベースの型解析を実装、ローカルの変数とパラメーターを分析できる。これまでは型ガード型解析はif宣言文と?:条件式に制限されていたが、2.0より型チェッカーは宣言文や表現における全てのコントロールフローを解析し、最も可能性のある型を生成するという。
「Tagged Unions」も新たにサポートされ、F#、Swift、Rustなどの言語の機能をJavaScriptで利用できるようになった。discriminated unions、disjoint unions、algebraic data typesなどとも言われる機能で、JavaScriptパターンを使って型安全性を容易に得られるという。
新たなプリミティブ型としてneverが加わったほか、リードオンリーのプロパティとインデックス署名も加わった。このほかにも、多数の機能が加わっている。
TypeScript 2.0はNode.js向けのパッケージ管理ツール「npm」経由で入手できる。また、プロジェクトWebサイトではVisual Studio 2015/2013向けやVisual Studio Code向けのパッケージなども提供されている。
TypeScript
http://www.typescriptlang.org/