SMB2/3サポートを強化した「Samba 4.1」リリース

 The Samba Teamは10月11日、最新安定版「Samba 4.1.0」をリリースした。クライアントツールやライブラリでのSMB2/SMB3サポートや、SMB2/SMB3で利用できる新機能追加などが行われている。

 SambaはWindowsのファイル・プリンタ共有サービスやWindowsドメインコントローラなどのオープンソース実装。LinuxやUNIX系OSとWindowsとの相互運用性を持たせることを目的に開発が進められている。ライセンスはGPLv3。

 Samba 4.1は2012年12月にリリースされたバージョン4.0に次ぐ4系の最新版で、バージョン3系および4.0系のすべての機能や技術を含む。

 バージョン4.1.0での大きな機能強化としては、「smbclient」や「smbcacls」といったクライアントツールおよびクライアントライブラリでのSMB2およびSMB3サポートがある。smbclientやsmbcaclsで利用されるデフォルトのプロトコルはSMB1のままだが、-mオプションなどで指定することによりSMB2およびSMB3を利用可能になった。ただし、SMB3はバージョン4.0.0以降のSambaサーバーやWindows Server 2012、Windows 8でのみ利用できる。なお、SMB2/SMB3プロトコル利用時、smbclientのコマンドセットでUNIX拡張機能を利用できない点については注意が必要とのこと。

 また、SMB3を利用する場合、これまでSambaサーバーのUNIX拡張によってサポートされていたクライアント-サーバー間の暗号化通信がWindowsサーバーでも利用できるようになった。SMB2の「FSCTL_SRV_COPYCHUNK」リクエストを利用したサーバーサイドでのコピー操作もサポートされている。Windows Server 2012などサーバーサイドコピーを利用するクライアントは、ファイルコピーで大幅な性能改善を見込めるという。

 そのほか、Btrfsファイルシステム統合の強化やディレクトリデータベースのレプリケーション機能の改善なども行われている。一方、管理ツールSamba Web Administration Tool(SWAT)は削除された。Sambaチーム内でメンテナンスを担当する開発者がおらず、脆弱性が多く発見されていることなどから、2月に4.1で削除する方針が発表されていた。

 Samba 4.1はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Samba
http://www.samba.org/