「Samba 4.2」リリース、Samba 3系のサポートは終了へ

 The Samba Teamは3月4日、Windowsファイル共有やActive DirectoryといったWindowsサービスをUNIX向けに実装した「Samba 4.2.0」をリリースした。透過的ファイル圧縮、クラスタリングなどの機能が加わっている。

 SambaはLinuxなどのUNIX系OSでWindowsファイル共有やプリンタ共有、Active Directoryサービス/クライアントといった機能を提供することを目的とするオープンソースソフトウェア。Samba 4.2は2013年10月に登場したSamba 4.1に続くアップデートとなる。

 Samba 4.2ではBtrfsでのファイルとフォルダ圧縮フラグ操作に対応した。利用にはBtrfs Samba VFSモジュールを有効にする必要がある。これにより、SMB2以降の圧縮フラグをWindows Explorer Fileから遠隔設定できるという。圧縮フラグが設定されたファイルは、アクセスや修正時に透過的に圧縮/展開される。

 また、新たにSnapper VFSモジュールが追加された。これにより、Windows Explorerの「以前のバージョン」ダイアログを利用してリモートクライアントからのシャドウコピーへのアクセスが可能になる。

 ドメインコントローラーへのnetlogonに関連する機能も改善され、netlogon_creds_cli.tdbのグローバルの状態を維持できるようになった。また、デフォルトで強固なセッションキーが必要となった。ただしこれにより、古いサーバーやクライアントとのやりとりがデフォルトで拒否される可能性があるという。

 Active Directoryドメインコントローラではwinbinddを使用するように変更され、winbindでは安全性強化のためSMB署名のコネクションが必須となった。また、Windows 2012 R2のデフォルト値に合わせることを目的に、smb2 max read/smb2 max write/smb2 max transのデフォルト値が8388608(8MiB)に変更されている。SMB2プロトコルでローカルにファイルをキャッシュするSMB2リースのサポートも行われ、SMB2接続のトラフィックを削減できるとしている。

 ファイルサーバークラスタリングコンポーネントCTDBの統合によるクラスタリングサポートや、tdbライブラリおよびメッセージングの強化など、ほかにも多数の機能が加わっている。

 Samba 4.2はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。なお開発チームは4.2リリースにより、3系のサポートは終了となることを警告している。3.6以前を利用しているユーザーに対しては、4系へのアップグレードを推奨している。

Samba
https://www.samba.org/