NoSQLデータベース「ArangoDB 2.1」リリース

 分散型のドキュメント指向データベース「ArangoDB」開発チームは5月29日、最新安定版「ArangoDB 2.1」をリリースした。ノード接続保存のEdge Index、独自クエリ言語のAQLなど、多数の機能強化が加わっている。

 ArangoDBは分散型のドキュメント指向データベースで、ドキュメント、グラフ、キーバリューを組み合わせ可能という柔軟なデータモデルやシャーディングなどの特徴を備える。SQLに似たクエリ言語「AQL(ArangoDB Query Language)」またはJavaScript拡張を利用し、高性能なアプリケーションを構築できる。対応プラットフォームはWindowsおよびMac OS X、Linuxで、Raspberry Piでも動くという。ライセンスはApache License 2.0。

 ArangoDB 2.1では、グラフ内でのノード接続の保存に利用するEdge Indexを強化した。データ構造を新しくすることで性能を強化し、大規模なグラフの読み込み時の性能は最大で20倍改善されるという。「_from」および「_to」の2種類の値が重複する際に性能に支障を来していた問題も改善した。古いEdge Indexタイプを自動で変更するほか、APIも互換性があるので、エンドユーザー側での変更は不要という。

 AQLでは日付関連の機能を強化した。日付はデータ型ではなく内部で数字や文字列で表現されるが、タイムスタンプの数字と文字列を相互変換が可能になった。タイムゾーン関連でも機能が加わっている。シャーディングは水平方向と垂直方向の両方で利用できるように強化した。

 ダンプ・リストアツール「arangodump」および「arangorestore」も強化し、クラスタ内でのコレクションにも利用できるようになった。スタンドアロンのArangoDBサーバーからのコレクションのダンプはクラスタにインポートされるという。

 ArangoDB上でAPIを構築できるJavaScriptアプリケーションフレームワークの「Foxx」では、Foxxアプリケーションのディレクトリへのアクセスを簡素化するfoxxFilename()がapplicationContextに加わった。

 これらに加えて、WebインターフェイスやWindowsインストーラーも改善し、ドライバーも一部アップデートして2.1互換となった。CからC++への移行も進めたという。

ArangoDB
https://www.arangodb.org/