「GNU Hurd 0.8」が登場
フリーなUNIXカーネル実装の開発を行っているGNU Hurd開発チームは5月18日、「GNU Hurd 0.8」をリリースした。合わせて「GNU Mach 1.7」および「GNU MIG 1.7」も公開した。
GNU HurdはフリーなUNIXカーネルの実現を目指して1990年にスタートしたプロジェクト。Machマイクロカーネル上で小規模な複数のサーバーを実行させるというアーキテクチャを持ち、ファイルシステムやネットワークプトロコル、ファイルアクセス制御といった機能を実装する。2013年に16年ぶりに最新版(「GNU Hurd 0.5」)をリリース以来、リリースの頻度を上げている。
GNU Hurd 0.8は、4月に公開されたGNU Hurd 0.7に続く最新版となる。netfsライブラリでロックレスの参照カウントを利用するようになった。これに伴い、グローバルの参照カウントロックは削除されている。整数ハッシュライブラリではインターフェイスが新しくなり、整数ではないキーを利用するようになった。また、devnodeトランスレーターとhurd-slabライブラリをマージした。
これらに加えて、ネイティブのfakerootツールで複数のバグを修正し、全体のコードもクリーンになった。
MachマイクロカーネルのGNUディストリビューションであるGNU Mach 1.7では最新のGCCをサポートし、gsync同期メカニズムも加わった。Linuxカーネルのfutexesに似たもので、効率良いユーザーランド同期が可能という。
同時に公開された「GNU MIG 1.7」は、GNU MachおよびGNU HurdディストリビューションをコンパイルするためのツールであるMach 3.0 Interface Generator(MIG)を含む配布物で、テストスイートなどの機能が加わっている。