「GNU Hurd 0.6」リリース

 フリーのUNIXカーネルを開発するGNU Hurdプロジェクトは4月15日、最新版となる「GNU Hurd 0.6」をリリースした。16年ぶりに公開された前バージョンから約1年半での新版リリースとなる。コードの整理やバグ修正が行われているとのこと。

 GNU HurdはFree Software FoundationのRichard Stallman氏の提唱により1990年にスタートした歴史あるプロジェクトで、UNIXカーネルの代替を目指している。必要最小限の機能のみを実装した「GNU Mach」マイクロカーネルを採用し、ファイルシステムやネットワークプロトコル、ファイルアクセス制御などはその上で実行される。対応アーキテクチャは現在32ビットx86マシンのみ。x86_64対応版は開発中としている。コンパイルには「i?86-gnu」をターゲットとして設定したツールチェインが必要となる。

 GNU Hurd 0.6は2013年9月に16年ぶりに公開された「GNU Hurd 0.5」に続く最新版となる。本バージョンではコードの整理と問題の修正が中心となる。Hurdサーバーのメッセージディスパッチコードを改善し、同時に公開された最新の「GNU Mach 1.5」で導入したペイロード保護機能を利用できるようになった。

 また、ネイティブのfakerootツールを改善し、多数のパッケージの構築が可能となった。portinfoおよびrpctraceツールでは、デバッグ関連を改善した。また、initサーバーは起動サーバーとSysVinit風のinitプログラムに分割されている。整数ハッシュライブラリの性能も強化し、圧縮はgz/bz2に変わって、libz/libz2が導入された。

GNU Hurd
http://www.gnu.org/software/hurd/