UIを大きく改善したLibre Office 4.4リリース、「最も美しい」リリースをうたう
The Document Foundationは1月29日(ドイツ時間)、オープンソースのオフィススイート「LibreOffice」の最新版「LibreOffice 4.4」をリリースした。ユーザーインターフェイス(UI)の大幅な改良により「これまでで最も美しいLibreOffice」をうたっている。
2014年7月に公開された「LibreOffice 4.3」に続くメジャーアップデート版となり、LibreOfficeとして累計9回目のメジャーリリースとなる。LibreOfficeはOpenOfficeからフォークしたプロジェクトとしてスタートしており、ワープロの「Writer」、スプレッドシート「Calc」、プレゼンテーション「Impress」、図形描画「Draw」、データベース「Base」、数式エディタ「Math」、グラフ作成「Charts」でといったコンポーネントから構成されている。
本バージョンでは、ルーラーの再設計やステータスバーおよびコンテキストメニュー、サイドバーの改善などを通じてユーザーインターフェイス(UI)を大きく改善した。起動時に表示するスタートセンター画面も強化し、テンプレートを表示するようになった。デフォルトテンプレートの種類も拡充されている。色選択のカラーセレクター、読み取り専用モードなども加わっている。
また、PDFでの出力時に電子署名を入れることが可能になり、新たなフォント「Carlito」と「Caladea」も導入された。これらはMicrosoftが提供しているプロプライエタリフォント「Calibri」と「Cambria」と互換性を持ち、これによってMicrosoft Office Open XML(OOXML)ファイルのインポート時に発生するフォント関連の問題を解決できるという。
OOXMLとの相互運用では、Microsoft VisioやMicrosoft Publisher、AbiWord形式のファイルやMicrosoft Worksのスプレッドシートなどのインポートフィルタも改善した。Adobe PagemakerやMacDraw、MacDraw II、RagTime for Mac向けの新たなインポートフィルタも加わった。
各アプリケーション別でも、多数の強化や新機能が導入された。たとえば、Writerでは変更追跡が改善され、変更追跡ツールバーに新しいボタンが加わった。Windows版のImpressとDrawではOpenGLを使ったページ切り替えが実装されている。Impressではまた、マスターページのビジュアル編集を強化し、Calcでは統計ウィザードなどが強化されている。
LibreOffice 4.4はWindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。
なおThe Document Foundationは27日、Android向けのLibreOffice開発についてCollaboraとIgaliaの2社と提携したことを発表している。Android版の登場時期については明かしていない。
The Document Foundation
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LibreOffice
http://www.libreoffice.org/