「Angular 1.5」リリース、次期版のAngular 2.0に向けたコンポーネント関連機能などを実装

　JavaScript向けのアプリケーションフレームワークAngularJSの開発チームは2月6日、「Angular 1.5.0 ennoblement-facilitation」を公開した。次期メジャーバージョンとなる「Angular 2」に向けた準備となる機能追加が行われている。

　AngularはGoogleが開発を主導するアプリケーション開発フレームワーク。モデル−ビュー−コントローラ（MVC）アーキテクチャを採用し、HTMLファイル内に特定の書式で変数や命令などを埋め込んでビューを構築できる。モデルとビューは自動的に同期が行われるのも特徴。

　Anguler 1.5は2015年5月に開発がスタートしたもので、次期メジャーリリースとなる「Angular 2.0」に向けてアップグレードパスを提供するものと位置付けている。そのため、Angluer 2でのアプリケーションの構造を意識した1系ベースのアプリケーションを作成できるとしている。速度、機能、信頼性の点で最も成熟したバージョンといい、利用者に1.5へのアップグレードを推奨している。

　新機能として、コンポーネントディレクティブを作成する新APIを導入した。AngularJSバージョン2ではコンポーネントベースでのアプリケーション実装が推奨されるようになるが、これを支援するものとなる。module.directiveに代わってmodule.componentヘルパーメソッドを利用してコンポーネントディレクティブを定義できるという。

　また、文字列、配列に加えて、ディレクティブとコンポーネントのプロパティを要求するためのオブジェクトを指定できるようになった。マルチスロットのトランスクルージョン、デフォルトのトランスクルージョンコンテンツ設定、片方向のバインディング設定などの機能も加わっている。

　ECMAScript 6（ES6）クラスのサポートを強化し、$injectorでコントローラーとしてネイティブのES6クラスをインスタンス化できるようになった。ただしWebブラウザによってES6のサポート状況は異なるため、利用には注意が必要と警告している。

　DOM変更を単一のコンテナスワップとしてアニメーションで切り替える新ディレクトリngAnimateSwap、キャンセル可能なアクションをサポートするngResourceなどの機能も加わっている。性能も改善されている。

　ngTouchモジュールのngClickディレクティブが非推奨となり、デフォルトで無効化されるなど、後方互換性のない変更も多数加わっている。

　Angular 1.5はプロジェクトのWebサイトから入手できる。ライセンスはMIT License。開発チームはAnglar 2.0の開発を進めており、すでにベータになっている。

Angular
https://angularjs.org/