「GitLab 8.4」リリース

 オランダGitLabは1月22日、Gitリポジトリ/プロジェクト管理ツールの最新版「GitLab 8.4」を公開した。継続的インテグレーション(CI)関連の強化が加わり、GitHubからのインポート機能も導入した。

 GitLab 8.4は12月に公開されたバージョン8.3に続く最新版で、累計で50回目のリリースとなる。

 8系での機能開発の中心となっているCI(継続的インテグレーション)関連の強化が引き続き加わった。バージョン8.2ではアーティファクトを単一の圧縮ファイルとしてダウンロードするCIアウトプット機能が搭載されたが、本バージョンではこれが強化され、GitLabのインターフェイス上から直接アーティファクトを閲覧できるようになった。また、個々のアーティファクトをダウンロードすることも可能になった。閲覧とダウンロード時にはGitLabは圧縮ファイルから要求されたファイルのみを抽出する仕組みとなっており、ストレージ容量を節約しながら大規模なファイルやアーティファクトを扱うことができるとしている。

 また、GitHubからリポジトリやWiki、イシュー、プルリクエストをインポートできる「GitHub Importer」も加わった。新規プロジェクトページよりGitHubのリンクをクリックしてインポートを指定すれば、自動的にインポート作業がスタートするという。

 使い勝手に関連した細かな改善も多数加わり、マウスを利用することなく現在のリポジトリ内にあるファイルをファイル名で検索できる「Fuzzy File Finder」が導入された。同機能へのショートカットも用意し、プロジェクト内で「t」を押すことでFuzzy File機能にアクセスできる。またDiffでシンタックスハイライト機能が加わった。

 使い勝手ではこのほか、メールでイシューやマージリクエストの通知を受け取った際に、不要なものについては購読を停止するリンクが加わった。サインイン不要で購読停止できるため、スマートフォンやスマートウォッチで作業が完了するという。このほか、Slack、Twitter、FacebookでGitLabへのリンクをペーストする際に、自動的に見栄えが改善されるようになった。8.2でサポートした絵文字も容易に選択できるように工夫されている。

 これらに加え、ホスティングサービスであるGitLab.comのパフォーマンスを強化した。合わせてパフォーマンスのモニタリングサービスも提供する。パフォーマンスデータとしては、トランザクション完了に要する時間、SQLクエリとHAMLビューのレンダリングに要する時間、Rubyメソッド実行に要する時間、Rubyのガベージコレクションに関連した数値、プロセスのメモリ使用状況やファイル開示の説明などのシステム統計などがあり、これらのデータをInfluxDBに送ることも可能という。

 有償のEnterprise Editionでは米Elasticsearchの検索機能を利用できるようになった。速度、柔軟性、拡張性に優れ、GitLabと容易に接続できるという。

 GitLab 8.4の無償版(Community Edition)はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

オランダGitLab
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