モジュール化や簡潔な記述を支援するJavaScriptライブラリ「lodash 4.0」リリース

 プログラムのモジュール化や性能向上などを支援するJavaScript向けのユーティリティライブラリ「lodash」の開発チームは1月12日、最新版となる「lodash 4.0.0」を公開した。Internet Explorer(IE)6〜8のサポートが廃止されたほか、いくつかの重複する関数や機能の整理が行われている。

 lodashはJavaScript向けに配列や文字列、各種データに対する操作およびソートといったさまざまなユーティリティ関数を提供するライブラリ。JavaScript特有のコールバック関数をより簡潔に記述するための支援関数なども提供される。一貫性、モジュラー性、高性能などが特徴とされ、多くのJavaScriptモジュールで使われている。

 lodash 4.0は2015年1月に公開されたバージョン3.0に続く最新版となる。大きな変更点としては、Bowerやコンポーネントパッケージの廃止と、IE6〜8のサポート廃止がある。ただし旧バージョンのIEに向けた互換性提供ライブラリである「es5-shim」や「es6-shim」といった外部パッケージを併用することで、これらのバージョンのIEでも利用が可能とのこと。

 本バージョンでは_.pluckや_.support、_.findWhere、_.whereといったメソッドが削除されたほか、_.firstや_.indexBy、_.invokeなどのメソッド名が_.headや_.keyBy、_.invokeMapといった名前に変更された。また、既存メソッドの機能を別のメソッドとして切り出すなど、メソッド関連で非常に多くの変更が加えられている。

 また、新たにgzip圧縮された状態で4kBというサイズの「コアビルド」バージョンが提供された。lodashが提供するメソッドのうちコアビルドには65のメソッドのみが含まれ、Backbone 1.2.4と互換性があるという。

 そのほかパフォーマンスの改善や絵文字のサポート、新たなメソッドの追加なども行われている。

 なお、lodashは同種の機能を提供するライブラリである「Underscore」とライブラリのマージについての話し合いを開始しているとのこと。本リリースについて「Underscoreコアチームのインプットと貢献なしには成立しなかった」と開発者のJohn-David Dalton氏は記している。

lodash
https://lodash.com/