米Microsoft、JavaScriptエンジン「ChakraCore」をオープンソース化すると発表

 米Microsoftは12月5日、モダンなJavaScriptエンジン「Chakra」のコアコンポーネントを「ChakraCore」としてオープンソースにする計画を発表した。2016年1月にもGitHubのレポジトリに公開する予定という。

 米国で開催されたイベント「JSConf US」で計画を発表した。ChakraはECMAScript2015(ES2015)の仕様を多数含み、信頼性、性能、拡張性を持つJavaScriptエンジン。2008年に開発を開始し、モダンなWebブラウザに必要な性能と柔軟性に主眼を置いたという。インタープリタをサポートする複数層のパイプライン、バックグラウンドで動作するJITコンパイラ、コンカレントとパーシャルに対応するマークアンドスイープのガベージコレクタなどで構成され、高速な起動と動作、優れたユーザー体験などを備えるという。

 その後、Webブラウザからサーバーサイドアプリケーション、NoSQLデータベース、クラウドなどへの広がりを受けてChakraも進化させた。現在、Edgeブラウザ以外に、ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)アプリケーションや「Azure DocumentDB」、「Cortana」、「Outlook.com」などの土台に使われているという。

 ChakraCoreは組み込み可能なJavaScript仮想マシンで、パーシング、インタープリタ、コンパイラ、実行コードといった機能が提供される。ChakraはすでにWebブラウザ「Edge」やWindows 10で採用されているが、これらには依存せずに利用できる。Chakraとの違いとして、COMベースのDiagnostic APIではなく、依存性がなく標準化あるいは相互運用可能な新しいDiagnostic APIをサポートするとのこと。このDiagnostic APIについても公開していくという。

 今後の計画として、性能の強化、Windows以外のプラットフォーム対応などを計画しているという。

米Microsoft
http://www.microsoft.com/