米IBM、Ruby向けのOMR言語ランタイム技術をオープンソースに
米IBMによるさまざまな言語に対応するランタイムライブラリ開発プロジェクト「OMR」が、そのRuby向け実装をオープンソースで公開する。RubyでOMR技術を試すことができるようにと目的を語っている。
OMRは、プログラミング言語のランタイムライブラリを構築するためのライブラリ。さまざまな言語で利用でき、再利用可能で簡単に利用できることを目指して開発が進められている。JavaやRubyからSmalltalkまでさまざまな言語に対応し、新しい言語でも活用できるようにするという。共通のランライムコンポーネントを利用するメリットとして、ランタイムの改善や高速化、機能の追加が容易になるとしている。
今回公開されたコンポーネントは、IBMのJava仮想マシン「J9 Java Virtual Machine」をベースにJava部分を分離したもの。Javaのセマンティックに影響されずほかの言語ランタイムに追加できるようになっている。J9はエンタープライズ級の高性能なランタイム技術で、2005年より「IBM SDK, Java Technlogy Edition」のコアランタイムとなっている。まだ作業は残っているが、これらのコンポーネントはまもなくEclipse Foundationのオープンソースプロジェクト内で利用できるようにするという。
Java以外の言語でOMR技術を利用するために、社内でRubyとPython向けのPoC(概念実証)のための実装を作成、「Ruby+OMR Technology Preview」としてRuby向けの実装を技術プレビューとして公開した。新しいガベージコレクタ、JITコンパイラ、メソッドプロファイル機能を備え、Rubyはバージョン2.2.3をベースとする。OMR技術を組み込んだRuby 2.2.3をプリインストールしたUbuntu 15.10(Wily Wererwolf)もイメージとして公開した。
Ruby+OMR Technology Preview
https://github.com/rubyomr-preview/rubyomr-preview