Ruby 2.2互換の「JRuby 9.0.0.0」リリース

 JavaによるRuby実行環境実装「JRuby」の開発コミュニティは7月22日、「JRuby 9.0.0.0」をリリースした。約3年ぶりのメジャーリリースとなり、Ruby 2.2系と互換性がある。

 JRubyはJava仮想マシン上で動作するRuby実行環境実装。ほかのJava仮想マシン言語の利用も可能で、Javaのエコシステムを活用できる。

 JRuby 9.0.0.0は2012年10月に公開されたバージョン1.7に続く9回目のメジャーリリースとなり、開発コード名の「JRuby 9000」をそのまま正式名称とした。開発チームによると、Rubyのバージョン番号との混同があったことからバージョン番号を大幅に変化させたという。今後9系は9.Xとしてメンテナンスリリースを行うことになる。

 本リリースより新しいランタイム「IR」が導入された。これまでのコンパイラ設計をベースに最適化を図ったものだが、現時点では静的な最適化のみを実行しており、バージョン1.7と同程度の速度となる。今後、Profiled Optimizationなどの実装を通じて性能を改善させていく計画という。

 また、ProcessとIOの両サブシステムにおけるPOSIXの挙動も改善した。IOとProcess関連の多くでCベースのRubyと同じネイティブオペレーションを利用することで、POSIXフレンドリーなJVM言語になるとしている。このほか、MRIから移植したエンコーディング/トランスコーディングロジックなどの特徴も持つ。

 JRubyはプロジェクトのWebサイトより入手できる。利用にはJava 7以上と互換性のあるJava Development Kitが必要。

JRuby
http://jruby.org/