米Google、「Go 1.5」をリリース
米Googleは8月19日、プログラミング言語Goの最新版「Go 1.5」をリリースした。Cで実装されていたツールチェインをGoで書き直したほか、ガベージコレクションも強化した。
GoはGoogleが開発を進めるプログラミング言語で、Pythonのような動的言語の開発スピードとC/C++のようなコンパイル言語の安全性や高速性という特徴を備える。これにより信頼性のあるソフトウェアをシンプルかつ効率良く作成できるとしている。
Go 1.5は6回目の安定版リリースとなり、2014年12月に公開したGo 1.4に続く最新版となる。本リリースではコンパイラツールチェインをGoで書き換えたことで、コードベースからCを完全に削除したという。また、ガベージコレクションも強化し、再設計することで一時停止時間を大きく削減した。合わせてスケジューラも改善し、GOMAXPROCS(Goランタイムの管理する軽量スレッドgoroutinesを並列実行できる数)のデフォルトの値が1から論理CPUの数まで変更可能となった。
開発ツール関連では、内部パッケージのサポートにより、パッケージ間で実装についての詳細を共有できるようになった。また、ランタイムの新しい追跡インフラが生成するプログラムのトレースを視覚的に表示する「go tool trace」コマンドが導入されたほか、Goパッケージドキュメンテーションを閲覧するためのコマンドラインインターフェイス「go doc」も加わった。さらに外部依存性「vendoring」を実験的に導入、Goプログラムにおける依存性管理のための標準的なメカニズムに向けた作業に着手した。
OSとアーキテクチャポート側では、AndroidとiOSデバイスで動くアプリの構築にGoを利用する実験プロジェクト「Go mobile project」の下、darwin/armとdarwin/arm64(AppleのiPhoneとiPadデバイス向け)、linux/arm64が加わった。また、ppc64le(IBM 64ビットPowerPC)も実験的にサポートした。
標準ライブラリについても、フラグパッケージ、math/bigパッケージ、LinuxとBSDシステムのDNSリゾルバなどで多数の強化が加わった。
GoのソースコードとLinux、Mac OS X、Windows向けのバイナリディストリビューションはプロジェクトのWebサイトより入手できる。