LLVMベースのCommon Lispコンパイラ「Clasp 4.0」リリース

 LLVMベースのCommon Lispコンパイラ「Clasp」の開発チームは11月20日、最新版となる「Clasp 4.0」を公開した。プロジェクトのWebサイトより入手できる。

 Claspは2014年秋にスタートした新しいCommon Lisp実装プロジェクト。C++とLispで作成されており、ネイティブコードへのコンパイルにLLVMを利用することでシームレスにC++ライブラリと相互運用ができるという。既存のライブラリやプログラムを利用でき、Common Lisp環境に組み込むことで高速なプロトタイプ作成、インクリメンタルな開発などが可能になる。現時点でサポートされるプラットフォームはMac OS XおよびLinuxのみ。

 Clasp 0.4ではインラインコンパイラの「CClasp」を一新し、最適化機能も強化された。コード生成が4倍高速化され、最適化アルゴリズムを試すなどの用途に適しているとしている。メモリ管理はBoehmとMemory Pool Systemの両方を利用できるが、0.4ではBoehm GCのみとなっている。Clasp向けにチューニングしたMemory Pool System GCは0.5で利用できるとしている。

 また、Fixnum、文字列などが即値になったほか、ビルドシステムの強化やClbindライブラリで外部のC++ライブラリをClaspのCommon Lispにエクスポーズできるようになるといった改善も行われている。バグも多数修正され、安定性が強化された。

Clasp
https://github.com/drmeister/clasp