Python処理系「PyPy 4.0」リリース、起動時間を大きく改善
PythonによるPython実装を行っているPyPy開発チームは10月29日、「PyPy 4.0.0」を公開した。起動時間の改善、ベクタライゼーションなどが特徴となる。
PyPyはPython 2.7.1互換のPythonプログラム実行環境。PyPy 4.0は6月に登場した2.6系からのメジャーアップグレードとなる。バージョン番号については、Python 2.7および3.5との混乱を防ぐために3を飛ばして4.0にしたと説明している。
本バージョンでは内部で使用されているコード実行エンジン「RPython」の内部リファクタリングや一部コードの書き直しにより、起動時間を約20%効率化したという。メモリの使用も約20%削減が図れるとしている。
性能ではこのほか、最適化機能でベクトル化がサポートされた。CPUが備える並列演算機能(SIMD)を利用するコードを作成するもの。ハードウェアがSIMDに対応しているかは実行時に検出されるとのこと。ただしこの機能はデフォルトではオフで、手動で有効にする必要がある。
このほか、数値演算ライブラリ「Numpy」実装ではndarray.ctypesのサポートが加わるなどの強化が加わった。バグも修正され安定性も改善した。
PyPyはプロジェクトのWebサイトより入手できる。サポートされるアーキテクチャはx86とARMで、OSはLinux、Mac OS X、Windows、openBSD、FreeBSDなどに対応する。64ビットPowerPCのサポートも加わっている。
PyPy
http://pypy.org/