Pythonによる高速Python実装「PyPy 2.6」リリース

 Python処理系PyPyの開発チームは6月1日、最新版となる「PyPy 2.6.0」(開発コード「Cameo Charm」)をリリースした。WindowsやMac OS X、Linux、OpenBSD、FreeBSDなどのx86マシンに加え、ARM版Linuxもサポートする。

 PyPyはPythonで実装されたPythonインタプリタ。Python 2.7.8および3.2.5と互換性があり、速度、メモリ使用の効率化、スタックレスモードなどの特徴がある。JITコンパイラの利用により標準的なCによるPython実装(CPython)より高速に動作するという。

 PyPy 2.6は、2月に公開されたPyPy 2.5に続くアップデートとなる。PythonからCコードを呼び出すcffi(C Foreign Function Interface)がバージョン1.1にアップデートされ、周期的にコードの情報を収集する軽量のStatiscalプロファイラvmprofを実験的にサポートした。

 Pythonとの互換性も強化され、TLS 1.1および1.2のサポートを改善した。PYTHONOPTIMIZE環境変数もサポートし、Windowsダウンロードはpypy.exeに加えてpypyw.exeを含む。数値演算ライブラリのNumpyのサポートも強化されている。

 性能面ではフレームサイズの強化や内部のリファクタリングとクリーンナップによるJITパフォーマンスの改善、zlibとbz2モジュールでのI/0性能の強化などを進めた。JITの最適化により、ベンチマークスイートではCpythonより7倍高速を実現したことも報告している。

PyPy
http://pypy.org/