性能を強化したPythonインタプリタ「PyPy 2.4」がリリース
PyPy開発チームは9月22日、Pythonで実装されたPythonインタプリタ「PyPy」の最新版「PyPy 2.4.0」(開発コード「Snow White」)をリリースした。さらなる高速化を図っているという。
Cで実装されたPythonの標準実装「CPython」と互換性があり、CPython 2.7をそのまま置き換えることができるという。JITコンパイラ統合による高速性を特徴とし、CPython 2.7系と比較して平均6.5倍高速に動作するという。これとは別にPython 3.2.5互換の「PyPy3 2.3.1」も提供されている。
PyPy 2.4は5月に公開されたバージョン2.3からの最新版となる。文字列とバイト配列の処理を改善し、StringBuilderの内部構造を調整して大規模な文字列の処理を高速に行えるようになったという。GIL(Global Interpreter Lock)の処理については大部分を書き直しした。これにより、CFFIをはじめとした外部関数の呼び出しが高速になるという。
stdlibは2.7.5から2.7.8にアップグレードされた。また、astモジュールのクラスを分離することで簡素化を図り、ソースコードからPyPyバイナリインタプリタへの変換が高速になるという。
PyPy 2.4はプロジェクトのWebサイトから入手できる。ソースコードのほかLinux(x86/x86_64およびVFPv3をサポートするARM v6/v7)、Mac OS X(64ビット)、OpenBSD、Windows(32ビット)向けのバイナリなどが公開されている。64ビット版Windowsサポートに向けた作業は進んでいないという。
PyPy開発チームは、Python 3系に対応する「Py3k」および「STM(Software Transactional Memory)」、「NumPy」の3種類のサブプロジェクト強化にあたって寄贈を求めている。9月の月間寄贈額に対し、the Python Software Foundationが最大10万ドルまで同額を寄贈することになっているとのことだ。
PyPy
http://www.pypy.org/