1年半ぶりのメジャーリリースとなる「JRuby 1.7」リリース、性能や安定性が強化される

 10月22日、JavaによるRuby実装「JRuby」の最新版「JRuby 1.7.0」がリリースされた。1年半ぶりのメジャーリリースとなり、デフォルトではRuby 1.9.3互換となっている。

 JRubyはJava仮想マシン(JVM)上のRuby実装で、高性能、プラットフォーム非依存などを特徴とする。JRuby 1.6ではRuby 1.9.2がサポートされているが、JRuby 1.7ではRuby 1.9.3がデフォルトのランタイムモードとなった。Rubyの標準ライブラリはRuby 1.9.3p286にアップデートされている。「Ripper」など不足しているライブラリもあるが、十分な安定性に達しているとしている。

 JRuby 1.7ではまた、JVMの「invokedynamic」機能のサポートが行われている。invokedynamicはJava 7で加わった動的型付け言語サポートのための機能で、JVM上で動く。これにより性能をさらに強化できるという。Java 7ではこの機能はデフォルトでは無効となっており、次期版Java 8のビルドではデフォルトで有効になっているとのことだ。

 そのほかRubygemsは1.8.24に、Rakeは0.9.2.2にアップデートされ、1.9系における互換性問題も多数修正されている。Solaris、ARM Linuxなどのネイティブ機能のサポートも改善した。Java 5のサポートはなくなっており、Java 6以上が必須となった。

 開発チームでは当面の間、2~3週間おきに1.7系のポイントリリースを行う予定で、Ruby 1.9系で不足しているライブラリを追加したり、問題を修正していくとしている。

JRuby
http://www.jruby.org/