「Vert.x 3.0」がリリース

 Java仮想マシン上で動作するアプリケーション開発ツール「Vert.x」の開発コミュニティが6月24日、「Vert.x 3.0」をリリースした。既存のアプリから容易にWebアプリケーションを構築できるツールや非同期テスト作成のためのツールが加わったほか、Dockerコンテナ内での実装、米Red HatのPaaSであるOpenShiftでの実装サポートなども加わっている。

 Vert.xはJava仮想マシン上でイベント主導・非ブロッキング型のアプリケーションを開発するためのツールキット。少ないカーネルスレッドで多数の処理を並行実行できる点を特徴としている。アプリケーション開発にはJavaだけでなくJavaScriptやRubyといった複数の言語を利用でき、WebアプリケーションやHTTP/RESTベースのマイクロサービス、バックエンドのメッセージバスといったものなど、さまざまなアプリケーションを開発できるという。ライセンスはEclipse Public License 1.0とApache License 2.0。

 Vert.x 3.0は2013年7月に登場したバージョン2系に続くもので、今回で3回目のメジャーリリースとなる。本リリースでは新たにサーバーでレンダリングされるアプリからWebアプリケーションを構築するためのツールキット「Vert.x-Web」を導入した。リアルタイムアプリ、RESTアプリ、HTTPマイクロサービスなどさまざまな種類のWebアプリケーションの構築が可能という。同じく新しいツールとして、非同期テストの作成のためのツールキット「Vert.x-Unit」も導入した。

 コアAPIが刷新され、HTTP、SSL、TCP、UDP、DNS、WebSocketsをはじめ、ファイルシステム、イベントバス、クラスタカウンターなどさまざまな機能が導入された。非同期ストリーム処理のReactive Streamを実装、Akkaなど他のreactiveシステムとの相互運用性を提供する。

 データベースではMongoDB、Redis、JDBCのサポートが加わり、これらを利用してプラグインで認証を実装できるようになった。JavaEEアプリケーションサーバーとの相互運用性のためのJCAアダプタとSMTPも統合し、RxJava風のAPIもサポートした。

 これらに加えて、全体の性能を改善したほか、Dockerコンテナ、Red Hat OpenShiftでの実装が可能になった。組み込みでの利用もサポートし、クラスローダーモデルを簡素化した。

Vert.x
http://vertx.io/