プロジェクトリーダーのVMwareからRed Hatへの移籍でひと騒動のVert.x、Eclipse Foundationへ移籍か
プロジェクトリーダーの移籍により、将来が危ぶまれたイベント駆動型非同期アプリケーションフレームワークを開発する「Vert.x」プロジェクトは、母体を非営利団体のEclipse Foundationにして再出発することになりそうだ。チームリーダーの提案に、コミュニティも賛同を示している。
Vert.xはJava仮想マシン(JVM)で動作し、JavaやRuby、Groovy、JavaScriptなどをサポートするアプリケーションフレームワーク。イベント駆動型で非同期に動作する点が特徴。2012年7月に公開されたバージョン1.2が最新の安定版となる。
Vert.xは米VMwareの支援の元で立ち上がったオープンソースプロジェクト(ライセンスはApache License 2.0)だが、Vert.xのプロジェクトリーダー、Tim Fox氏がVMwareから米Red Hatへ移籍したために問題が生じていた。
Fox氏によると、2012年12月末にVMwareの法務担当より、Vert.xのGitHubプロジェクト、Google Group、vertx.ioドメイン、ブログについての管理権限を放棄するよう迫る書簡を受け取ったという。Fox氏は1月8日付けでGoogle Groupに投稿、訴訟を避けるため、これらをVMwareに移管したことをコミュニティに報告するとともに、プロジェクトの将来について意見を募っていた。なお、Red HatとVMwareはその後すぐに共同声明を発表、プロジェクトをどうやって支援していくのかについて話し合いを進めているとしていた。
Fox氏は今後どうするかについて、1)これまで通り、2)フォークする、3)Apache Software Foundationの傘下となる、4)Eclipse Foundationの傘下となる、の4つの選択肢を挙げた後、Eclipse Foundationへの参加にフォーカスをしぼって反対か賛成かの意見を募っている。Google Groupには、Eclipse Foundationの執行ディレクター、Mike Milinkovich氏による歓迎の意をはじめ、「賛成(+1)」がいくつか挙がっている。Fox氏の投稿に対し、VMwareのAlexis Richardson氏は「グループのコメントを注意深く見たい」とし、Red HatのMark Little氏は、「Red Hatはコミュニティの決断が何であれ、支持する。Eclipseに対する異論はない」と記している。
Vert.x
http://vertx.io/
Google GroupのVert.x
https://groups.google.com/forum/?fromgroups=#!forum/vertx