ルビ表示に対応、設定画面がタブベースになった「Firefox 38」リリース

 Mozillaは5月12日、オープンソースのWebブラウザ最新版「Firefox 38」をリリースした。延長サポート版「Extended Support Release(ESR)」のベースとなるもので、レスポンシブイメージの対応、日本語向けのルビ表示サポートなどが加わっている。

 Firefox 38は4月に公開されたFirefox 37に続く最新版。通常版をベースとした延長サポート版(ESR)のベースとなる。ESRは企業や教育機関などの法人をターゲットとしたもので、サポートは約1年。前回のESRは2014年7月に公開されたFirefox 31で、31系では3月末に31.6を公開している。

 日本語と中国語向けのタイポグラフィーが強化され、<ruby>タグを使ったルビ表記が利用できるようになった。また、設定画面ではタブが導入されている。

 画面解像度に応じて異なる画像を表示させる<img>タグのsrcset属性や<picture>要素にも対応した。この機能は「レスポンシブイメージ」などと呼ばれており、すでにGoogle Chromeなどで採用されている。適切なメディアクエリを利用して読み込みを行うが、ビューポートのリサイズには反応しないという。このバグは将来のバージョンで修正される予定とのこと。

 このほか、Web WorkerからWebSocketsが利用できるようになった。ゲームやコラボレーション型のアプリケーションに適しているという。開発関連ではこのほかにも、クライアントサイドのメッセージパッシングAPIであるBroadcastChannel APIの実装が行われており、複数のタブやウィンドウを持つWebアプリでのコンテンツなどの同期ができるようになった。DOM3イベントのKeyboardEvent.codeの実装、Encrypted Media Extensions APIの実装なども加わっている。さらに、WebRTCで複数ストリームと再ネゴシエーションが可能となった。

 Firefox 38のWindowsおよびMac OS X、Linux向け実行ファイルやソースコードはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/