「Firefox 37」リリース、ユーザーからのフィードバックを得る「Heartbeat」を導入

 Mozillaは3月31日、Webブラウザ「Firefox」の最新版「Firefox 37」をリリースした。デスクトップ版とAndroid版のリリースとなり、ユーザーのフィードバックを得る新しい仕組み「Heartbeat」の導入といった新機能を盛り込んだ。

 Firefox 37は、2月24日に公開された「Firefox 36」に続く最新版となる。デスクトップ版ではユーザーがFirefox開発者側にフィードバックを送る評価システム「Heartbeat」を導入した。既存のフィードバックチャネルを見直し、ユーザーのニーズをより迅速に把握して製品に反映させることやユーザーとの関係強化などを目的としたもので、毎日任意に選ばれたユーザーに評価ウィジェットを表示し、5段階で評価してもらう。評価後は、Mozillaへの寄付、Facebookへの「いいね!」ボタンやTwitterフォローなどのメニューが並ぶエンゲージページが表示されるという。ユーザーはabout:configからHeartbeatを無効にできる。

 Bing検索ではデフォルトでHTTPSを利用するようになった。また、新機能として失効した中間証明書のリストをFirefoxにプッシュする「OneCRL」を導入した。OCSPプロトコルベースの失効チェックに代わるものとなり、失効した証明書の一元化されたリストを作成し、これをWebブラウザにプッシュすることでチェックを迅速に行うという。

 通信相手が暗号化に対応できるときは暗号化し、そうでなければ暗号化せずに通信する「日和見暗号(Opportunistic Encryption)」のためにHTTP/2 AltSvcに対応した。また、TLSの安全ではないバージョンへのフォールバックは無効になっている。SSLエラー報告も強化され、証明書がないエラーも報告対象となった。このほか、TLS False Start手法の利用にあたって、AEAD constructionを利用する暗号スイートが必須となった。

 HTML5関連では、Media Source Extensions(MSE)APIを部分的に実装、You Tube動画のネイティブHTML5再生が可能となった。CSSのdisplay:contentsに対応し、ワーカースレッドからIndexedDBへのアクセス、Web WorkerからWebSocketの利用がそれぞれ可能となった。

 開発関連では、デスクトップ版とAndroid版のChrome、iOS版のSafari上でデバッグのためタブが利用できるようになった。また、インスペクタにアニメーションパネルが加わり、アニメーションの制御が可能となった。ネットワークパネルにも、新ツールとしてセキュリティパネルが加わった。SSLプロトコルバージョンに関連したデバッグなどが可能になるという。

 Android版ではダウンロードマネージャーバックエンド機能により、ダウンロードの性能を強化した。URLバーではデフォルトでページタイトルの代わりにアドレスを表示するよう変更した。OneCRLの実装、HTTP/2 AltSvcサポートなど、デスクトップ版と同じセキュリティ機能が加わっている。

Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/