HTTP/2に完全対応した「Firefox 36」がリリース
Mozillaは2月24日、オープンソースのWebブラウザ最新版「Firefox 36」をリリースした。HTTP/2プロトコルのフルサポートが加わり、同期面でも強化が図られた。
1月中旬に公開した「Firefox 35」に続くもので、リリースサイクル通り6週間での公開となった。大きな変更点としては、2月中旬に仕様が承認されたばかりのHTTP/2のサポートがある。HTTP/2は性能や効率化の改善を図るもので、これに完全対応することで高速、拡張性、レスポンス性が強化できるとしている。新機能としてはこのほか、新規タブページでピン止めしたタイルを「Firefox Sync」で同期できるようになった。
セキュリティ関連では、1024ビットのRSA暗号鍵を使ったルート証明書の段階的サポート廃止が行われる。また、安全ではないRC4暗号を受け付けないように変更されたほか、起動中のFirefoxで指定したコマンドを実行させる「–remote」コマンドラインオプションの削除が行われている。このほか、深刻な脆弱性3件を含む約14件のセキュリティ修正も行われている。また、クラッシュ時、プログラム終了前にクラッシュレポートを表示するようになった。
HTML5サポートでは、ECMAScript 6におけるSymbolデータ型のサポート、CSS記述子の「unicode-range」の実装、「object-fit」「object-position」の実装、CSSの「isolation」属性の実装などの強化が加わり、ECMAScript 6におけるジェネレータの性能も改善した。
開発関連では、Debuggerにevalソースが表示されるようになり、動的に評価されるJavaScriptのデバッグが可能になった。また、DOM Promiseの調査も可能となっている。
Firefox 36はWindowsおよびMac OS X、Linuxなどで動作する。Androidに対応するモバイル版は現時点ではリリースされていない様子で、執筆時で最新安定版は2月5日に公開されたバージョン35.0.1となっている。