「Docker 1.6」リリース、Windowsクライアントのプレビュー版が加わる

 米Dockerは4月16日、オープンソースのコンテナエンジン「Docker Engine 1.6」をリリースした。Windowsクライアントがプレビューとして加わるなど、多くの特徴を備える。Docker Engineに加え、「Registry 2.0」などのツールついても最新版が同時リリースされている。

 2月にリリースされたDocker 1.5に続く最新版となる。本バージョンでは新たにWindows向けクライアント「Docker Windows Client」のプレビュー版が追加された。Microsoftとの提携により共同開発されたもので、Mac版Clientと同様にリモートホストで実行するコマンドラインツールとなる。これに合わせて、テストインフラについてもWindows Clientテストに対応するよう拡張したという。

 Docker Engineそのものも強化され、以前から要求が多かった機能だというラベル機能が導入された。コンテナとイメージにユーザーがメタデータを付け、自分のツールで利用できるようにするもの。またロギングドライバAPIも加わった。Syslogなどのシステムにコンテナのログを送信できるもので、「–log-driver」オプションに「json-file」、「syslog」、「none」の3種類のオプションが加わっている。デフォルトはjson-fileとなっている。

 digestと呼ばれる指定可能なイメージ識別子も加わっている。イメージ内のコンテンツへのイミュータブル(不変)な参照となり、プル、実行、構築、参照で利用できる。これまで、イメージのプル、構築、実行ではnamespace/repository:tagで特定するかrepositoryを利用していたが、namespace/repo@digestシンタックスを使ってdigestを利用できる。パッチや更新時に便利だとしている。

 リソース制限のためのUlimitsも改善した。これまでは起動時にDockerデーモンから引き継いでいたが、デーモン設定時に全てのコンテナに対してulimit設定を特定できるようになった。また、Dockerfileのシンタックスを利用して、イメージ全体を再ビルドすることなくイメージを変更できる「commit –change」および「import –change」サブコマンドも加わった。

 同時に公開されたコンテナイメージ管理レポジトリのRegistry 2.0では、アーキテクチャを一新した。Docker 1.6側の最新のRegistry APIサポートにより、イメージのプルの性能や信頼性が改善するという。すでにDockerコンテナのリポジトリ「Docker Hub」はRegistry 2.0に対応済み。

 このほかにも、複雑なアプリケーションを定義するComposeはバージョン1.2、DockerネイティブクラスタリングのSwarmはバージョン0.2、Dockerホスト構築ツールMachineはバージョン0.2がそれぞれリリースされている。

米Docker
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