Docker管理を容易に、オープンソースの管理ツール「Panamax」が登場
データセンター事業を行っている米Centurylinkは8月12日、Docker環境の管理ツール「Panamax」をオープンソースソフトウェアとして公開した。複雑なコンテナのデプロイをテンプレートを利用して容易に行えるという。
Panamaxはコンテナを使ってクラウドインフラストラクチャを構築するツール。Dockerを利用しているという同社の開発チームが、9か月の開発作業を経て公開した。Dockerを使って複数のコンテナやサーバーを組み合わせた環境を構築する場合、開発者はさまざまな新しい技術を学んで選択したうえ、さらにDocker専用の知識やベストプラクティスを習得する必要があった。PanamaxはDockerコンテナの構築や設定とベストプラクティスを組み合わせることで、このプロセスを不要とするという。なお開発チームによると、PanamaxはあくまでDocker管理ツールであってPaaS環境を構築するものではないとしている。
PanamaxはDockerを動かす軽量OS「CoreOS」、コンテナオーケストレーションとジョブスケジューリングを行う「Fleet」、事前設定済みのアプリケーションセットのテンプレート「Open-Source Application Template Library」で構成され、Docker化したアプリケーションをデプロイするためのUIコンポーネントを持つ。最大の特徴となるApplication Template LibraryはDocker向けのコンテナ混成ツール「fig」で用いられているフォーマットに着想を得たもので、Dockerを使って動作させるアプリケーションのアーキテクチャや設定を保存するレポジトリをGitHub上に設けている。Panamaxを利用するユーザーはApplication Template Libraryを利用して、複雑なマルチコンテナDockerアプリを1クリックで再構築できるという。
PanamaxはプロジェクトのWebサイトより入手できる。Mac OS Xおよび各種Linuxなどで動作し、パブリッククラウド環境上で実行させることも可能だという。ライセンスはApache License 2。現在のバージョンは0.1とまだ若いこともあり、不具合やバグが残っている可能性があるとの警告もされている。
CenturyLinkはPanamaxのローンチ記念として、Panamax向けのアプリケーションテンプレートコンテストを開催する。Mac Pro、iPad Airなど、合計で10万ドル以上の景品を用意しているという。
Panamax
http://panamax.io/