「CakePHP 3.0」リリース、ORMを刷新

 PHP向けWebアプリケーションフレームワーク「CakePHP」の開発チームは3月22日、最新版となる「CakePHP 3.0」をリリースした。新しいORM(オブジェクト関係マッピング)の導入をはじめ、多数の機能が加わっている。

 CakePHPはMVCアーキテクチャを採用するPHP向けのWebアプリケーションフレームワーク。データベースアクセス、キャッシュ、認証などの機能を統合しており、高速な開発ができるのが特徴。容易な設定、安全性などの特徴も備える。ライセンスはMIT License。

 CakePHP 3.0は、2011年に公開されたバージョン2系からのメジャーアップグレードとなる。PHPはバージョン5.4.16以上が必須となり、mbstring、intlの両拡張モジュールも必要となる。

 最大の特徴は新しいORM(オブジェクト関係マッピング)の導入。Modelを大きく変更し、TavleクラスとEntityクラスに分割され、柔軟性を強化した。Datamapperパターンの実装、クエリ構築、Collectionsライブラリを利用したデータのポストプロセス、プライマリキーのサポートなどの機能が加わった。1系、2系から大きく変更されているため、既存ユーザーに対してORMマイグレーションガイドを提供する。

 Contorollerのような機能を提供するView Cellsクラスも導入された。Viewから直接利用してデータをプルできるという。ルーティングも強化し、名前付きルートなどの最適化によりルート数が増加しても性能に影響しないようになったとしている。

 デバッグツールバー「DebugKit」も再構築し、オーバーヘッドを削減しつつ機能を拡充した。DebugKitは新しいアプリケーションスケルトンにデフォルトでインストールされる。なお、DebugKitのほか、bake、acl、migrationsなどの分離を進めており、各種コンポーネントはComposerでインストールされるようになった。CakePHPのインストールにもComposerを利用することでアプリケーションの依存性維持を簡素化できるという。このほか、複数のライブラリがCakePHPに依存しないようになり、バージョン2系のアプリケーションやCakePHPアプリケーション外でも利用できるようになった。

 CakePHP 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

CakePHP
http://cakephp.org/