米Couchbase、ドキュメント指向データベース「Couchbase Server 3.0」をリリース
米Couchbaseは10月6日、ドキュメント指向データベースシステム「Couchbase Server 3.0」をリリースした。データ変更ストリーム向けプロトコルDatabase Change Protocol(DCP)の導入など、大規模な強化が加わっている。
Couchbase ServerはJSONベースのドキュメント指向データベース。柔軟なデータモデルを持ち、インクリメンタルMap Reduceによるリアルタイム分析や、1ミリ秒以下での読み込み/書き込みといった高い性能が特徴。ライセンスはApache License 2.0。CouchbaseはMemcachedベースのデータベースシステム「Membase」を開発・提供していたMembase社と、ドキュメント指向データベース「Apache CouchDB」の開発者Damien Katz氏が設立したCouchOne社が合併したベンチャー企業で、オープンソースのCommunity Editionのほか、商用のEnterprise Editionも用意する。
Couchbase Server 3.0は2012年12月に公開されたバージョン2.0に続くメジャーリリース。拡張性、性能、可用性、セキュリティなどが強化された。
インフラでは、バケット(Bucket)にデータの変更をストリームするストリーミングプロトコルDatabase Change Protocol(DCP)を導入した。メモリ内のドキュメントに変更が加わるとディスクへの書き込みなしに瞬時にストリーム配信するため、Viewのアップデートの遅延を縮小できるという。これに合わせて、Viewではメモリ上でインデックスを作成するStream Based Viewを導入、DCPを利用して転送先のサーバーに直接データを転送するStream Based XDCRも加わった。
バケットとスレッドを分離し、複数のバケット間で共有するスレッドをプールすることでディスパッチタスクを最適化できるShared thread pool機能も加わった。バケットではメタデータ追い出しが可能となり、バケッド単位でディスクI/0の優先順位を指定できるようになった。
可用性では、動作中のオペレーション完了後にデータの損失なしにクラスタのノードをフェイルオーバーするGraceful Fail Overが加わった。クラスタから切り離したノードを再度追加するDelta Node Recovery機能も導入、データの再利用と差分を利用して高速に復旧できるという。
セキュリティでは、WebコンソールとRest API間の接続を暗号化できるようになり、クライアントからCouch Serverへの接続についても暗号化がオプション導入された(ともにEnterprise Editionのみの機能)。
このほかにも、インクリメンタルバックアップ・復旧に対応した(Enterprise Editionのみ)。管理者は変更されたデータのみを迅速にバックアップできる。
Couchbase Server 3.0はUbuntu、Red Hat Enterprise Linux、Debian、Mac OS Xをサポートする。また、ベータという位置付けだがWindowsでも動作する。
米Couchbase
http://www.couchbase.com/