「Apache CouchDB 1.6」リリース、パフォーマンス向上など多くの変更が含まれる

 オープンソースのドキュメント指向データベース「Apache CouchDB」開発プロジェクトは6月10日、最新版となる「Apache CouchDB 1.6.0」をリリースした。Erlang 17.0のサポートなど、多数の機能強化が加わっている。

 CouchDBはWebアプリケーションのバックエンドでの利用などに適したドキュメント指向データベース。SQLを使わずにクエリを行える「NoSQL」と呼ばれるデータベースシステムの1つで、Erlangで実装されており、JSONドキュメントとしてデータの格納や取り出しが可能。また、REST API経由でのアクセスが可能で、HTTPを利用してWebブラウザから直接ドキュメントにアクセスすることも可能。自動コンフリクト検出、マルチマスター設定などの機能を持ち、インクリメンタルなレプリケーションを利用してデータやアプリを効率よく配信できる。

 CouchDB 1.6は、2013年11月に公開されたバージョン1.5に続く最新版となる。本バージョンでは、4月にリリースされたErlang/OTP 17.0に対応した。また、バージョン1.5で実験導入した管理UIの「Fauxton」ではコードエディタがCodeMirrorからAceに変更され、サポートするWebブラウザの種類を拡充するといった強化も加わっている。また、UUID設定にmax_countオプションが加わった。

 ソケットバッファサイズの拡張も行われ、これにより大きなドキュメントや添付ファイルなどに対するレプリケーション速度が向上している。レプリケーションではSOCKS5プロキシサポートが加わったほか、ソースデータベースへの書き込み権限がない場合でも実行が可能になった。レプリケーションチェックポイントの作成間隔を変更できるようにもなっている。

 このほかにも多数の機能強化が加わっている。なお、CouchDB 1.6でProxy Authenticationハンドラはproxy_authentication_handlerとなり、古いproxy_authentication_handlerは非推奨となり将来的に削除されるという。そのため、httpd/authentication_handlersオプションを最新のものにアップデートするよう推奨している。

 Apache CouchDB 1.6はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。ライセンスはApache License 2.0。

Apache CouchDB
http://couchdb.apache.org/