CouchDBのモバイル版という位置付けの「Couchbase Lite」が発表される

 米Couchbaseは9月13日、モバイル向けKey-Valueストア型ドキュメント指向データベース「CouchBase Lite」を発表した。新たに発表したモバイル戦略「JSON Anywhere」の核となるもので、初のモバイル向けNoSQLデータベースをうたっている。

 CouchbaseはオープンソースのKey-Valueストア型ドキュメント指向データベース「Couchbase」を開発するベンチャー企業。新たに発表されたCouchbase Liteは、モバイル端末上で動作するJSONべースのNoSQLデータベースとなる。安全性、軽量さ、同期を特徴とし、オンライン/オフラインに対応する。iOSおよびAndroidに対応し、HTML5アプリ開発者向けに開発ツール「PhoneGap」向けプラグインも用意している。

 Couchbaseが同日発表したモバイル戦略「JSON Anywhere」は、モバイルを優先的にターゲットにして開発するトレンドに対応するもの。モバイル向けデータベースとして「SQLite」や「SAP Sybase SQL Anywhere」がすでに使われているが、これらはSQLベースのリレーショナルデータベースであり、開発者の作業負担が大きいという。Couchbase Liteでは、柔軟性の高いJSONフォーマットとMapReduceによるインデックス処理をモバイル端末とクラウド上で利用できることから、モバイルアプリ開発者の作業を簡素化できるとしている。

 Couchbase Liteに合わせて、サーバー側のアプリ同期処理のための「Couchbase Sync Gateway」と「Couchbase Cloud」も発表された。Sync Gatewayは「Couchbase Server」の補完となり、HTTPを利用したデータアクセスの制御、データルーティングなどの機能を持つ。モバイルデータベースとクラウドのデータベースの同期により、時間を10倍短縮できるという。Cloudはモバイルデータベースをサービスとして提供するクラウドサービス。

 なお、同日発表したJSON Anywhereパートナープログラムには、Appcelerator、Apperian、Adobe PhoneGap、Sencha、Xamarinなどのモバイル開発企業が参加を表明している。

 Couchbase Liteは同社のWebサイトよりダウンロードできる。現在はまだベータ版というステータスとのこと。iOSとAndroid向けのドキュメントも公開している

米Couchbase
http://www.couchbase.com/