CouchDB向けクラスタ技術を開発するBigCouch、本家にコードをマージへ

 「Apache CouchDB」からフォークした分散データベースシステム「BigCouch」を開発する米Cloudantは7月22日(米国時間)、BigCouchのコードベースをCouchDBにマージする計画を発表した。これによりBigCouchの開発は終了、同社はCouchDBやそのクラスタ機能の改善にフォーカスするという。

 BigCouchはCouchDBにクラスタ機能などを加えて大規模環境向けにカスタマイズした分散データベースサービス。欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が生成する毎秒1ペタバイト級のデータをCouchDBを使って分散管理していた開発者が作成したもので、水平クラスタリングやフォールトトラレントフレームワークが追加されている。ライセンスはApache License 2.0。

 同社はクラスタ管理、圧縮、レプリケーションなどの技術をCouchDBのレポジトリにマージするとのこと。新しい圧縮プロセスによりストレージ容量の削減を実現し、また圧縮後のファイルの扱いも容易になるという。並列処理による性能の改善を行うことで、圧縮とレプリケーションも大きく高速化されるとのこと。「同じデータセンター内にあるErlangクラスタであれ、別のデータセンターにあるクラスタであれ、分散された環境でのデータのレプリケーションが容易になる」と説明している。拡張性のほか、インデックスアップデートの高速化などのメリットも得られるという。

 また、BigCouchの開発は終了となり、今後はCouchDBコミュニティに参加してCouchDBとCloudantのクラスタ機能の開発を進める。これまでのクラスタとフォールトトラレントの技術開発はCouchDBで継続し、同じ技術を自社のデータベースサービスで再利用する計画だ。Cloudantは「分散データベース・アズ・ア・サービス」として、モバイルとWeb企業向けにNoSQLデータベースのサービスをクラウドで提供している。

 BigCouchがマージされたCouchDBは、現在プレビュー版として公開されている。一般公開版はApacheコミュニティのリリースプロセスに従ってリリースされる予定。

米Cludant
https://cloudant.com/

BigCouch
http://bigcouch.cloudant.com/

Apache CouchDB
http://couchdb.apache.org/