IaaSプラットフォーム「Apache CloudStack 4.4.0」リリース

 Apache CloudStackプロジェクトは7月26日、クラウドインフラストラクチャソフトウェア「Apache CloudStack」の最新版「Apache CloudStack 4.4.0」をリリースした。バージョン4.3で追加されたHyper-Vサポートの強化やルートディスクのリサイズ対応などが特徴となる。

 Apache CloudStackは高い可用性、拡張性を特徴とするインフラストラクチャソフトウェア。これを利用して、IaaS(Insfrastructure as a Service)型のクラウド環境を構築できる。仮想化技術としてはXenServer/XCPやKVM、Hyper-V、VMware ESXi、vSphereをサポート。またAmazon S3やAmazon EC2互換のAPIもオプションで提供する。マルチテナントのサポートやWebベースの管理UIなども提供されており、多数のクラウドサービス事業者で利用されているほか、オンプレミスのプライベートクラウドで利用する企業も多いという。

 Apache CloudStack 4.4は、3月に公開されたバージョン4.3に続く最新版となる。これまでストレージプラグインモジュールはデータディスクのみで利用できたが、最新版よりルートディスクでPrimary Storageプラグインを利用できるようになった(対応するハイパーバイザーはXenServerとVMwareのみ)。これを利用して、ストレージデバイスで仮想ディスク単位でLUN(論理ユニット番号)の作成などが可能となり、重複除外、シンプロビジョニングなどのストレージの機能を利用できるという。これに加え、ルートディスクのリサイズ機能もサポートした。

 バージョン4.3で導入されたVR(仮想ルーティング)サービスモニタリングでは、サーバーの障害を通知するアラート機能が加わった。また、VR向けコマンドを一括して処理するVirtualRoutingResourceも導入された。そのほか、OVS(Open vSwitch)プラグインによる分散ルーティングとネットワークACLもサポートされた。

 VMware DRS(分散リソーススケジューラ)のサポートによる負荷分散や電源管理の強化も行われている。ワークロードを調整して性能を改善したり、サービスを停止することなくリソースの拡張や管理を実現できるという。Microsoft Hyper-Vのサポートも改善し、CloudStackでマネージドハイパーバイザーとしてHyper-Vを利用できるようになった。

 これら新機能と既存機能の強化に加え、135件のバグも修正した。Apache CloudStackはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Apache CloudStack
http://cloudstack.apache.org/