オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア「Apache CloudStack 4.1」リリース

 Apache CloudStackプロジェクトは6月4日、オープンソースのIaaS基盤ソフトウェア「Apache CloudStack 4.1.0」をリリースした。3月にインキュベーション(正式プロジェクトに向けての準備段階)プロジェクトからトップレベルプロジェクト(TLP)となって以来、初のメジャーリリースとなる。

 Apache CloudStackはInfrastracture as a Service(IaaS)型のクラウドサービスを実装するためのインフラストラクチャ基盤ソフトウェア。米Citrix Systemsが「CloudStack」として開発していたものを2012年にApache Software Foundation(ASF)へと寄贈、以後はASF傘下で開発が進められている。コンピューティングのオーケストレーション、ソフトウェア制御ネットワーク、アカウント管理、ネイティブAPIなどの機能を持ち、高い可用性と拡張性を特徴とする。VMwareやKVM、XenServer、Xen Cloud Platform(XCP)といった仮想化技術をサポートし、Webインターフェイスやコマンドラインツール、RESTful APIなどを利用してクラウド環境を管理できる。

 Apache CloudStack 4.1は、2012年11月に公開されたバージョン4系の最新版となる。メッセージングプロトコル「AMQP」と互換性のあるイベントバス機能によるセマンティックのパブリッシュやサブスクライブなどが可能な「Events Framework」が新たに導入され、AMQPサーバーと連携するためのRabbitMQプラグインも開発された。CloudStack管理サーバーで提供されているAPIの発見を支援するAPIディスカバリサービスも導入されている。

 Nicira NVP(ネットワーク仮想化プラットフォーム)プラグインによるL3ルーター機能の実装、KVMのサポート、APIリクエストの制限、ルートとデータボリュームのリサイズといった新機能も追加されている。このほか、ベアメタルサポート、EC2 QueryAPIサポート、オートスケーリングのサポートなどが加わり、Amazon Web Servicesのようなリージョンの概念も導入された。

 Apache CloudStack 4.1はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。ライセンスはApache License 2.0。

Apache CloudStack
http://cloudstack.apache.org/