「Apache CloudStack 4.3」がリリース、Hyper-Vをサポート

 オープンソースを推進する非営利団体のApache Software Foundation(ASF)は3月25日(米国時間)、オープンソースのクラウドインフラストラクチャソフトウェア「Apache CloudStack 4.3」をリリースした。Microsoftの「Hyper-V」に対応したほか、多数の新機能が加わっている。

 Apache CloudStackはASFの下で開発されているオープンソースのクラウドインフラストラクチャソフトウェア。これを利用してIaaS(Infrastructure as a Service)型のクラウドサービスを構築でき、独自のプライベートクラウドやハイブリッドクラウド環境を作成したり、パブリッククラウドサービスの基盤として利用できる。開発プロジェクトは以前は米Citrix Systemsの傘下にあったが、2012年4月にASFに寄贈されている。

 CloudStack 4.3は2012年11月に公開したバージョン4系の最新安定版となり、2013年10月に公開されたバージョン4.2からは5か月ぶりのリリースとなる。

 大きな新機能として、Microsoftの仮想化技術であるHyper-Vのサポートがある。すでにサポートしているKVM、XenServer、VMware、LXC、それにベアメタルに加えてHyper-Vを利用できるようになった。

 また、動的にリソースをスケールできる「Dynamic Compute」も導入された。既存のオートスケール機能に加えて、動作中の仮想マシンインスタンスに割り当てられたリソースを自動調整できるという。米Juniper Networksが開発したソフトウェア定義ネットワーク(SDN)コントローラー「Juniper CloudContrail」も統合され、これによりSDNサービスを提供可能となった。

 セキュリティ関連ではPalo Alto Firewallを統合、CloudStackで同ファイアウォールの管理が可能となった。ゲスト仮想マシン向けのSSL Termination機能も加わり、一部のロードバランサーにSSLトラフィックをオフロードできるようになっている。仮想プライベートクラウド(VPC)ネットワーク向けのVPNリモートアクセス機能も加わった。

 Apache CloudStackはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。ライセンスはApache License 2.0。

Apache CloudStack
http://cloudstack.apache.org/