XWaylandを導入した「X.Org Server 1.16」リリース

 X.Org FoundationのKeith Packard氏は7月17日、「X.Org Server 1.16.0」を公開した。Waylandとの互換レイヤー「XWayland」の導入、OpenGLを利用する汎用2Dグラフィックスドライバ「Glamor」やsystemsdの統合など、大きな変更を多数含むものとなっている。

 X.OrgはクロスプラットフォームのウィンドウシステムであるX Window Systemのオープンソース実装を開発するプロジェクト。ライセンスはX11 Licenseで、プロジェクトはfreedesktop.orgコミュニティの支援を受けている。

 2013年12月末に公開された1.15に続く最新版となり、かなりの量のコードが追加されているという。その3分の2はGlamor関連のコードで、そのほかコードのクリーンアップも行われた。Glamorの統合によって、多くの環境で性能の改善が見込めるという。X11ディスプレイサーバープロトコルを実装したXephyr向けのGlamor for Xephyrも導入された。コードのクリーンアップにより、コンパイラの警告も多数削減されたという。

 また、WaylandでX11アプリケーションを動かす互換レイヤーを提供するXWaylandも導入された。レンダリングにはGlamourを利用し、性能問題を回避できるという。

 systemd統合も行われ、これによってルート特権なしにsystemdを利用した起動と管理が可能となり、性能を改善できるという。非PCIデバイスのサポートも追加された。

X.Org Foundation
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