次世代KDE Platformの「KDE Frameworks 5.0」が登場

 The KDE Communityは7月7日、次世代のKDE Platformとなる「KDE Frameworks 5.0.0」を公開した。「次世代KDEライブラリ」との位置付けで、依存性を少なくしてモジュール性を強化したほか、Qtとの連携に向けた最適化が進められている。すでに50以上のFrameworkが用意されているという。

 KDEは開発開始から15年以上を経ており、KDEライブラリ(kdelib)は包括的で肥大化している。KDE Frameworksは、現状のKDEライブラリではモバイル開発やKDEアプリケーション以外での再利用が難しいという課題を解決することを目的としており、KDE Platform 4ライブラリをクロスプラットフォームの独立したモジュールに改良している。Qtアドオンをそのまま置き換えることができ、Qt開発者は開発のコストや手間を削減できるという。ライセンスはLGPL。

 KDE Frameworksの目標の1つであった依存関係の簡素化に向けては、各KDE Frameworkをランタイム依存のない「Functional」、ランタイムに依存する「Solutions」、OSやプラットフォームによってはランタイム依存のある「Integration」の3カテゴリに分類することで解決を図った。また、コンパイル時の依存状態により「Tier 1」から「Tier 3」の3種類に分類されている。Tier 1はQtなどのライブラリが必要だがFramework内では依存性がなく、Tier2はTier1に依存、Tier3はTier1、Tier2、他のTier3に依存する。

 KDE Frameworksではすでに50以上のFrameworkが開発されているという。その中には、よく利用されている圧縮コーデックをサポートできるファイルアーカイブライブラリ「KArchive」、ジョブ/キューベースのインターフェイスによりスレッドを管理するAPI「ThreadWeaver」などがある。

 KDE Frameworks 5はプロジェクトのWebサイトより入手できる。利用にはQt 5.2が必要。今後は月単位で最新機能をリリースするとしている。

The KDE Community
http://kde.org/

KDE Frameworks 5.0.0
http://kde.org/info/kde-frameworks-5.0.0.php